・やりたかったこと
私のポケモン達を倒すなんて許せないので、その仇を討ちたかった。
倒した味方の仇は討つ。
私も味方を倒しますが。
・着想
中国語表記を見た限り、
「敵討ち」ではなく「仇討ち」が表記として正しいようなので、
この記事では「仇討ち」として表記します。
深夜の私は、恐らく疲れていました。
なんとなく、仇を討ちたいと思っていました。
仇討ちという技は非常にエフェクトが格好良いです。
あの技は一度見てみる事をお勧めします、
それくらい格好良いエフェクトの技です。
これを使った構築を作るには?
仇討ちの強化条件は「直前ターンに味方のポケモンが倒れていること」です。
これは条件を問わず、相手から脳攻撃以外に
スリップダメージや技の反動、
味方の巻き込みによるものも条件を満たしたものとして扱われます。
つまり味方を倒せば次のターンも仇討ちの威力を上げられます。
これは不慮の事故を起こすしかありませんよね。
とはいえ仇討ちそのものは強化条件を満たしても威力140の技。
ノーマルタイプという性質上、弱点を突くこともありません。
普通に撃つだけでは火力不足です。
これを超火力にする方法があれば………
………太鼓仇討ちだ!!
この考察をするにあたって、
かなり前に「仇討ちの先輩」とも話をしましたが、
その方とは「普通に味方の仇を討つのは美しくない」という点で
意気投合した事も併記しておきます。
その方の構築は大凡全て知っていますが、
全て一度思考から外して組んだ結果この形となりました。
仇討ちの先輩と共通しているのはガルーラとサマヨールのみで、
それ以外は全く別物に成り果てた事もここに記しておきます。
仇討ちの先輩の構築はこちら:
考察の順序としては
太鼓仇討ち要員を探す
→カビゴンを発見する
→トリックルーム軸であることが確定するのでサポート要員を探す
→サマヨールとカポエラーが入ってくる
→メガ枠仇討ち要員を探す
→ガルーラが入ってくる
→仇討ちのための消耗品サポート要員かつワイドガード破壊要員を探す
→フェイントとこの指止まれを使えるリオルが入ってくる
→流石にゴーストタイプ(特にギルガルドが重すぎる)対策を探す
→ギルガルドが重いのでカビゴンに地震の採用が確定
→できればカビゴンの地震も無効化したい
→条件を満たすサザンドラが乱入
という流れでした。この間大体15分くらい。
原案は爆速で出来上がりました。
・個体紹介
ガルーラ
持ち物:ガルーラナイト
性格:ゆうかん
特性:きもったま → おやこあい
種族値:105-95-80-40-80-90(合計460) → 105-125-100-60-100-100(合計590)
努力値:HP212 攻撃252 防御44
ステータス:207-161↑-106-x-100-85↓
メガ後:207-194↑-126-x-120-94↓
技構成:恩返し/けたぐり/不意打ち/仇討ち
備考:素早さ個体値0
今回の構築のメガ枠。
メガ枠最強筆頭候補。
物理アタッカーとしてなら何をさせても強いので、
今回は倒した味方の仇を討ってもらうことになりました。
基本的なガルーラの構成のうち、
4枠目を仇討ちにしたものだと考えてもらえればわかりやすいかと思います。
仇討ちの火力は強化時なら捨て身タックルよりちょっと強め程度。
これを無反動で撃てると考えると分かりやすいかと思います。
持ち物:脱出ボタン
性格:意地っ張り
特性:威嚇
種族値:50-95-95-35-110-70(合計455)
努力値:HP252 攻撃236 素早20
ステータス:157-159↑-115-x↓-130-93
技構成:インファイト/ワイドガード/フェイント/猫騙し
今回の猫騙し担当。
物理耐久はそこまで高くはないですが、
これは味方の攻撃で簡単に倒せるということを示しています。
ワイドガードは相手の攻撃を止める場面よりも、
まだカポエラーを倒したくない時に使います。
意外とそこそこ使います。
フェイントは相手のワイドガード・守る対策です。
私が倒した味方の仇を絶対に討たせる強い意志を見せましょう。
持ち物:進化の奇石
性格:生意気
特性:お見通し
種族値:40-70-130-60-130-25(合計455)
努力値:HP252 防御20 特防236
ステータス:147-x-153-x-198↑-27↓
技構成:ナイトヘッド/トリックルーム/呪い/守る
備考:攻撃・特攻個体値不問、素早さ個体値0
今回のトリックルーム起動要員。
受けさせたい攻撃が物理であることを考慮し、
今回は特防重視の配分としています。
カビゴンよりも遅いので、
カビゴンが地震で動く前にMOVEで巻き込み対象に入ることができ、
ちょっとテクニカルな巻き込みも狙えます。
呪いで相手への定数ダメージ付与と同時に、
自分自身の体力を半分削る事を駆使し、
相手の攻撃によって被弾するパターンも狙えるようにしています。
HPを1減らして偶数にすれば呪い2回だけでも退場できるので、
ここは修正すべきポイントかも知れません。
構築や構成の都合上、
これだけの耐久を持っていてもトリックルーム中に倒れる前提なので、
トリル返しなどを想定される場合の動きはかなり難しくなりますが、
使っていて面白いポケモンになったと感じています。
リオル
持ち物:気合いのタスキ
性格:せっかち
特性:悪戯心
種族値:40-70-40-35-40-60(合計285)
努力値:攻撃252 素早252あまり
ステータス:115-122-40↓-x-45-123↑
技構成:この指とまれ/フェイント/命懸け/見切り
備考:防御・特防個体値0
非常に一般的なリオル。
今回は小回りの良さや技を引き寄せられる回数を考慮して、
こだわりスカーフではなく気合いのタスキを装備させています。
HP個体値は面倒だったので0を粘っていませんが、
命懸けを選択する場合のダメージがほんのり上がること、
防御・特防は最低値なので耐久としては本当に誤差レベルでしかない点から、
無理に厳選する必要はないかと思われます。
極論を言えば素早さ以外は適当でも、特に支障はないでしょう。
基本的に相手の攻撃で退場しますが、
どうしようもない場合には命懸けで退場します。
私が使った限りでは命懸けを選択する場面はありませんでした。
フェイントは相手のワイドガード・守る対策です。
私が倒した味方の仇を絶対に討たせる強い意志を見せましょう。
持ち物:命の珠
性格:冷静
特性:浮遊
種族値:92-105-90-125-90-98(合計600)
努力値:HP252 特攻252 特防4
ステータス:199-x-110-194↑-111-92↓
技構成:悪の波動/大地の力/火炎放射/守る
備考:素早さ個体値0
浮いてるギルガルド処理枠。
無振りドランより遅く、
かつギルガルドへの打点を持つポケモンとして採用。
やや素早さは高めだが、
それでもトリックルーム特化型構築でなければ
ある程度先手を取れる相手も多く、
遠隔攻撃を用いた詰めも狙えるのが面白いポケモンです。
カビゴンが地震を選択しても巻き込まれることがなく、
ギルガルド筆頭にゴーストタイプを仕留められる枠を考察した結果、
こんなサザンドラになりました。
大地の力はヒードランだけを狙うために採用しましたが、
そこそこ活躍したので良かったのかもしれません。
竜技切りではありますが、困る場面は一切ありませんでした。
やや素早さが高いので無補正ヒードラン(素早さ97)ならトリル下で抜けますが、
冷静ヒードランは素早さ個体値がVでもトリル下で抜かれます(素早さ87)。
それ以外にもバンギラス(無振り素早さ81、準速113)などのように
使用者によって素早さが変わるポケモンも多いので
細心の注意を払って動かしましょう。
持ち物:オボンの実
性格:勇敢
特性:厚い脂肪
種族値:160-110-65-65-110-30(合計540)
努力値:HP36 攻撃252 防御220
ステータス:240-178↑-113-x-130-31↓
技構成:仇討ち/地震/腹太鼓/守る
絶対に仇を討つカビゴン。
倒した味方の仇を討ちます。
たとえ味方の地震で巻き込まれて倒れただけでも、
味方の仇を絶対に討つ強い意志を秘めたポケモンです。
たまに誰も倒されてなくても仇を討ちます。
無の仇を討たないで
腹太鼓型としては普通のカビゴンの構成のうち、
メインウェポンを仇討ちにしたものです。
流石に自爆や恩返しには通常時こそ威力が劣るものの、
自爆と違いカビゴン自体を使い捨てにせずとも
味方を使い捨てれば継続して火力が出せる点、
恩返しよりも条件を満たした際の仇討ちの方が火力が高い点を考慮し採用しました。
7世代以降なら混乱実の回復量を考慮して特性を食いしん坊にする場合もありますが、
ORASでカビゴンの食いしん坊を発動させる価値がある木の実は、
イバンの実、サンの実くらいしかないと考え、
厚い脂肪での採用としました。
擬似的にメガリザードンYなどへの耐性を持たせられるので、
そこもかなり強い点と言えます。
モロバレルが厄介だと感じる場面はそれなりに多かったので、
Lv.49での採用も考察してみたいです。
・基本的な立ち回り
先発:サマヨール・リオル・カビゴン
控え:ガルーラ・カポエラー・サザンドラ
相手の構築によって、
リオルかカポエラーはどちらを先発にするか考えます。
サマヨールとカビゴンは左右の端でさえあれば問題ありません。
相手の左右読みを読み切るか、気分で決めましょう。
ガルーラとサザンドラは先発で出す理由がないので控えで固定です。
出来る限り早くサマヨールがトリックルームを展開するわけですが、
そのターンにカビゴンが腹太鼓出来るようにリオルやカポエラーで補助しましょう。
先発にカポエラーを出していて、
かつ脱出ボタンが発動した場合はリオルを繰り出します。
トリックルーム展開後、
カビゴンは出来るだけ行動回数を増やすことを意識しましょう。
リオルが場に残っている場合はこの指止まれを駆使し、
地震巻き込みや仇討ちを連打することを意識します。
相手の場にトリックルーム起動要員がいなければ、
サマヨールは適当に呪いで自主退場の準備をしておくのも良いでしょう。
味方が誰か倒れてからはガルーラを繰り出します。
直前ターンに誰か倒れているならカビゴンとガルーラで仇討ち、
誰も倒れていないならガルーラが恩返しで相手を削りつつ、
サマヨールをムーブさせて地震で巻き込んで倒す、
というような動きを意識して味方を倒しましょう。
そうすれば次のターンに倒した味方の仇を討てます。
構築単位でギルガルドがかなり思いポケモンなのは確かなので、
カポエラーやリオルのフェイントでワイドガードを割るか、
サザンドラで正面突破するかは盤面次第で考えましょう。
ワイドガードの対策のためだけにリオルやカポエラーを残してはいけません。
彼らはちゃんと手早く処理しましょう。
・使用感
戦績としては16戦11勝5敗。勝率68.75%です。
最初のコンセプトが「仇討ちを見たい」という中々妙な始まりだったので、
ここまでの戦績を叩き出せるなら充分な結果だと言えるのではないでしょうか。
腹太鼓型の構築を作る上でどうしても味方がサポートに専念する必要がある点、
サポート要員の味方はどうしてもすぐに倒されるか生き延びすぎるかになる点を、
すぐに倒されればその仇を討つ、
生き残って邪魔になるなら太鼓地震で巻き込んで仇討ちにつなげるという、
サポート要員の"消費"を構築に組み込むのは難しいですがかなり楽しい構築でした。
基本的に4ターンくらいで
味方が3匹(ガルーラ・カビゴン・サザンドラ)に減るように動かすので、
相手のサイクルをいかに拒絶するかもかなり重要なポイントとなります。
性質上追い風をベースとした構築にはそこそこ安定しますが、
トリックルーム同士であればかなり駆け引きが難しく、
雨パーティに対してはやや厳しい構築でした。
それ以外の構築に対しては相手の交代や守るによって勝敗が分かれるケースも多く、
プレイヤーの熟練度が試されるコンボパーティになったように感じます。
トリックルームの再展開はあまり期待できない以上、
超短期決戦の練習に使える構築かもしれません。
サマヨールを消費する構築は今までほとんど組んだことがなかったので、
サマヨールが採用されているにも関わらず、
長期化しない構築という意味ではかなり独特で面白いものになったと思います。
参考までに火力指数の目安を書いておきます。
太鼓カビゴンの仇討ち(強化):149,520
太鼓カビゴンの仇討ち(強化なし):74,760
ヒヒダルマの鉢巻フレアドライブ:74,061
メガガルーラの仇討ち(強化):61,110
太鼓カビゴンの地震(ダブル補正込み):53,400
メガガルーラの捨て身タックル:52,380
メガクチートのじゃれつく:46,440
メガガルーラの恩返し/八つ当たり:44,523
鉢巻ファイアローのブレイブバード:39,420
カビゴンの仇討ち(強化):37,380
鉢巻バンギラスの噛み砕く:36,720
無振りドーブルの猫騙し(テクニシャンなし):2,400
倒した味方の仇を討つことの大切さがお分かり頂けたかと思います。
・まとめ
仇討ちを使いたい、でもこの技は味方が倒れないと弱い。
ならばどうするか、味方を倒すしかない。
そうすれば味方の仇を討てる。
ここから始まった構築ですが、
発想こそ酔狂なものの、
最終的には比較的正統派な太鼓軸トリルパーティとして
仕上がったのではないでしょうか。
単エース系は構築の傾向としてかなり不安定で、
主軸が倒れるとそれ以上の対応が出来ないという難点がありますが、
メガガルーラやサザンドラという最低限の火力を持つポケモンを採用することで、
多少はリスク面の回避もできたのではないかと考えています。
過去にメガガルーラ入り構築としてはガルニンフアロートリパを作成しましたが、
その際にはどうにも手に馴染まないという感想でした。
今回の構築でメガガルーラと和解できたのではないかと考えています。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。
・参考動画
ニコニコ版:
youtube版:
・ホントの最後に
この記事を以て、2021年の記事投稿は最後になります。
様々な構築記事などを投稿してきましたが、
皆様にとって少しでも興味深いものであったでしょうか?
少しでも楽しんでもらえるものだったでしょうか?
ORASが過去作と呼ばれるようになってから約5年。
これはトリプルが最新作に実装されなくなってから経過した期間でもあります。
約5年の空白期間を経て、久々にトリプルに取り組む事になるとは、
私自身全く考えていなかったことでした。
この賑わいが2022年も継続して続くように、
令和トリプル勢及びトリプルバトルに関わる全ての皆様に
今後の期待を込めてこの記事を締め括りたいと思います。
非常に楽しいひと時をありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。
それでは皆様、良いトリプルを。
そして皆様、良いお年を。
2021.12.31 13:44