破片影

ポケモントリプル勢の端くれによる不定期更新なブログです。

【ポケモンORASトリプル】ラグボルト放電雨

・はじめに

この記事は「トリプルバトル構築記事AdventCalendar2022」1日目の記事です。
この記事以外にも様々なトリプルバトルの構築記事が投稿される予定になっています。
ぜひご覧ください。

adventar.org

・着想

今回はちょっと真面目な構築です。
トンチキを期待した皆様、ごめんなさい。

トリプルバトルではあまり見ないポケモンとして、霊獣ボルトロスがいます。
このポケモンは電気・飛行というあのサンダーと同じ複合タイプを持っており、
特攻種族値145という非常に高い水準の火力を持っています。
素早さ種族値に関しても101と、あのメガガルーラより早いのは優秀と言えます。
準伝説ということもあり合計種族値は580と高く、
耐久面もそこまで低いわけではありません。

にも関わらず、なぜそこまで使われないのか。
これに関してはサンダーの便利さが問題であるとは思います。
ならばサンダーとの最大の差別化要素となりうる火力を活用しようとした場合、
霊獣ボルトロスの強さを最大限引き出せるのではないでしょうか?

霊獣ボルトロスは耐性面で言えばそこまで優秀ではありません。
サンダーがある程度補助として活躍できるのは、
習得できる技と耐久の数値があってこそです。
今回は防御面を考慮しない代わりに高い火力を持つことを活かし、
非常に攻撃的な構築に組み込むことにしようと思います。

今回使う霊獣ボルトロスが習得出来る技の中に、
電気タイプの範囲技である「放電」という技があります。
この技は味方も巻き込む範囲技、
威力が80と高いと呼べるものではない事、
追加効果が麻痺30%と攻撃技としてはかなり優秀な事が特徴的です。
アタッカー型ポケモンを運用するにあたって範囲技は搭載しておきたいため、
今回は放電も仕込んでおくことにします。
また、構築のコンセプトとして「味方を放電で巻き込む」という立ち回りも
ある程度考えておく必要が産まれます。

環境に存在する構築タイプの中でも、
非常に攻撃的な系統としては雨パーティが挙げられます。
これは雨状態による水タイプの技威力が1.5倍になることや、
特性「すいすい」による素早さ補強を活かし
攻撃性能を非常に高めた構築の系統と言えます。
難点としては天候への依存度がやや高めな点と、
構築内のタイプが偏りやすいために上手く組まないと
防御面に難を抱えた構築になりやすい事だと言えます。
今回は防御を捨てて攻撃面を尖らせる構築のため、
雨パーティが抱える防御面に難を抱えた構築になりやすい点は
デメリットにならないと考え、この系統に寄せることにしました。

雨パーティの中に組み込まれやすいポケモンで、
かつ放電に巻き込んでも問題が産まれにくいと思われるのは
モロバレルラグラージが挙げられます。
モロバレルは元々耐久面が高く、放電は半減で受けられます。
また麻痺することによる素早さ低下も
モロバレル程遅いポケモンであればほぼ意識する必要はないといえます。
ラグラージは地面タイプ複合であり、そもそも電気技が無効です。
またメガシンカできるポケモンである点も見逃せません。
メガラグラージは耐久・火力が高水準であり、
すいすい発動中であれば素早さに関しても文句なしの数値となります。
この2体を取り巻きに採用しつつ、雨パーティとして必要なパーツである
雨起動要員のニョロトノ猫騙し要員のルンパッパの加入が確定となります。

最後の枠ですが、この枠はラグラージ地震を無力化でき、
かつ天候起動と素早さ補強をこなせる枠として化身トルネロスを採用しました。
火力も決して低くはなく、雨状態であれば必中となる暴風を使うことで
対角の相手をも強引に削ることが出来るため、腐りにくい点も魅力的です。

そしてこうなった。

……メロメロ対策出来てないが大丈夫なのかこれ?
誘惑の対策も考えた方がいいんじゃないかこれ?

・個体紹介

ボルトロス(霊獣フォルム)

持ち物:磁石
性格:臆病
特性:蓄電
種族値: 79-105-70-145-80-101(合計580)
努力値:HP4 特攻252 素早252
ステータス:155-x↓-90-197-100-168↑
技構成:10万ボルト/放電/めざめるパワー氷/守る
備考:防御個体値30

今回の構築の起点です。
環境にいるポケモンではやや受けにくい電気タイプで殴る事ができるアタッカー。
サンダーとタイプが被るものの、
サンダーは補助がメインになるのに対し、
ボルトロスは攻撃がメインと役割の違いが非常に大きな差になるのが特徴です。
環境に一定数いるポケモンで電気技を半減以下にできるのは
ランドロスドリュウズモロバレルくらいしかいないため、
幅広い相手に無理やり等倍で殴りダメージを稼げる点は優秀でした。
相手にワイドガードがいない場合は味方にラグラージモロバレルを添えることで、
放電による範囲攻撃が使えるのもかなり魅力的です。
耐久面は平均よりやや低い程度のため、
特に今回のサイクルを放棄した構築としては非常に危うい水準です。
基本的にそんなに被弾できないポケモンなので、
一方的に殴れる盤面を作り続けることが大事だと感じました。
優位に立っている時のボルトロスは非常に信頼できるポケモンでした。

トルネロス(化身フォルム)

持ち物:するどいくちばし
性格:臆病
特性:いたずらごころ
種族値:79-115-70-125-80-111(合計580)
努力値:HP4 特攻252 素早252
ステータス:155-x↓-90-177-100-179↑
技構成:暴風/雨乞い/追い風/守る

素早さ操作と手動天候を担うおじさん。
暴風を採用しているため、
天候があればそこそこの火力のアタッカーも兼任できます。
暴風が飛行タイプの技であるため、対角のポケモンを攻撃できるのは優秀でした。
素早さ操作・天候補助・アタッカーの全てを
それなりの水準で兼任できるのは優秀でしたが、
役割が多すぎて早期に倒れてしまう事が多かったのは反省点でした。
今回の構築の中でも色々と考え直したい枠でした。

もともとドーブルダークホール意識で挑発を採用していましたが、
ドーブルとの対面で挑発を使う、
という場面があまりにも少なかったので外しました。
守るを採用したことで長生きできるようになったので非常に良かったと思います。

モロバレル

持ち物:ゴツゴツメット
性格:なまいき
特性:胞子
種族値:114-85-70-85-80-30(合計464)
努力値:HP236 防御20 特防252
ステータス:219-x-93-105-145↑-31↓
技構成:ギガドレイン/怒りの粉/キノコの胞子/守る
備考:素早さ個体値0

雨追い風をベースにした構築であり、
非常にトリックルームへの対応が手薄なので採用。
基本的にサイクルを回せない構築なので特性は再生力ではなく胞子です。
低確率とはいえ眠りや麻痺を引いて機能停止に追い込むことが出来るのは優秀。
ボルトロスの放電で巻き込むことを考慮し、特殊耐久重視の配分にしました。
物理は一般的なモロバレルよりも脆めですが、
そこまで困ることはなかったように感じます。

トリックルーム系構築との対戦はほぼ完全にモロバレルに頼っていたので、
モロバレルというポケモンの強さを再認識する良い機会になりました。

ニョロトノ

持ち物:こだわりメガネ
性格:控えめ
特性:雨降らし
種族値:90-75-75-90-100-70(合計500)
努力値:HP204 防御4 特攻252 特防28 素早20
ステータス:191-x↓-96-156↑-124-93
技構成:ハイドロポンプ/熱湯/冷凍ビーム/滅びの歌

雨パーティには必須と言える、雨降らし枠。
今回の構築ではほぼサイクルを回せない以上、
ダメージを稼ぎたいのでメガネ持ちです。
元々の火力はそこまで高い部類ではありませんが、
メガネと雨の補正を掛け合わせたハイドロポンプ
相手の想定を狂わせ、立ち回りを破壊する火力を叩き出せます。
メガネニョロトノの火力は本当に高く、
無振りバンギラスであれば砂込みで乱数1発(50%)に追い込むほどです。
序盤はハイドロポンプで削りを意識し、
一度引くことが出来たなら終盤は熱湯で詰めていくことになります。

性質上滅びの歌との咬み合わせが非常に悪いポケモンになっていますが、
有効打がないポケモンを相手にする場合(水浸しヌケニンなど)や、
耐久が高すぎて倒せないポケモン(ラッキーなど)を
無理やり止める手段として使えます。
本当に最終手段に近い形での採用なので、基本的に使いません。

ルンパッパ

持ち物:気合いのタスキ
性格:控えめ
特性:すいすい
種族値:80-70-70-90-100-70(合計480)
努力値:特攻252 特防4 素早252
ステータス:155-x↓-90-156↑-121-122
技構成:ハイドロポンプ/冷凍ビーム/エナジーボール/猫騙

オーレ地方…というよりも、ミラーボの波動を感じるポケモン
猫騙しができるすいすいアタッカー枠です。
雨パーティの猫騙し枠として、他に優秀なポケモンがいないため採用しました。
今回は構築全体の耐久が低めであり、
1回の攻撃でのダメージを稼いでいきたいのでハイドロポンプを採用しています。
命中率の低さは気になるものの、熱湯とは段違いの火力が魅力的です。
基本的にはハイドロポンプ猫騙し以外選ばないことを意識しますが、
エナジーボールは水タイプの相手に対して積極的に選んでいきましょう。
冷凍ビームは極力選ばないことを意識します。
本当に火力が足りていないので、日和るととても悲しい事になります。

ラグラージ

持ち物:ラグラージナイト
性格:意地っ張り
特性:しめりけ → すいすい
種族値:100-110-90-85-90-60(合計535) → 100-150-110-95-110-70(合計635)
努力値:攻撃252 特防4 素早252
ステータス:175-178↑-110-x↓-111-112 → 175-222↑-130-x↓-131-122
技構成:滝登り/地震/岩雪崩/守る

今回の構築におけるメガシンカ枠。
雨パーティとしてはなかなか強そうな雰囲気ですが、
使用例をそこまで多く見るわけでもなかったので試してみました。
使用感としては初速の遅さが非常に気になるものの、
雨状態ですいすいを起動するところまで辿り着ければ
火力・耐久・素早さの全てが高水準でまとまった優秀なアタッカーでした。
メガシンカターンをどうにかして確保する必要があるため、
雨以外の素早さ補強手段がないと初手守るで行動が固定化されやすいのが難点でした。
今回はワイドガードを採用せず攻撃面に尖らせた構成にしていますが、
攻撃技に関しては基本的に滝登りと地震だけで事足りると言えるため、
岩雪崩の枠をワイドガードにして運用してみるのも面白いかもしれません。
雨状態かつ威嚇を受けていない状況であれば
相手に攻撃を押し付けて行けるポケモンなのは間違いないので、
構築の作り方や立ち回りの組み立ての難しさを克服できれば
メガラグラージの個性の楽しさと強さが感じられるポケモンであると思いました。
第7世代以降のメガシンカしたポケモンの素早さ即時反映という仕様があれば、
今以上に輝けるのではないかと思います。

メガシンカする場面の見極めが難しく、
耐久としては1発なら受けきれるという程度のため受け出しも難しいですが、
雨という補正のお陰で水技の火力と素早さに困ることはほぼありません。
メガラグラージというポケモンへの練度とでも呼ぶべきものがあれば、
相応の強さは発揮してくれるように感じました。
雨パーティの物理メガ枠としては競合としてクチートやガルーラが挙げられますが、
クチートとの差異としてはトリックルームを完全に捨てた構築にしやすい点、
ガルーラとの差異としては雨状態での素早さを活かした立ち回りの有無となります。

今回の構築の場合だと、
ボルトロスが放電する際に巻き込みを意識しなくて良い点も便利でした。
地震放電でダメージの押し付けを狙えるのは本当に楽しかったです。

・使用感

勝率としては正確な数値は記録していないものの、
50戦程度運用しておおよそ7割程度でした。
放電霊獣ボルトロスを使うにあたって、
何と相性良いかを色々考えた結果この構築になりましたが、
耐久面が低めな代わりに全体的に火力はそれなりに高く、
使っていてとても楽しい構築になったので私としては満足のいくものとなりました。

天候系が非常に苦手、トリックルーム系も苦手な系統に入りますが、
それ以外の構築に対しては大抵の構築とは
互角以上に戦える構築にはなったと考えています。

全体的に耐久が低いためサイクルはほぼ回せず、
正面突破が基本となる構築になっていますが、
非常に攻撃性能が高く相手のサイクルも許さない構築に仕上がったのは
かなり自分らしい構築という雰囲気があり満足しています。

割とそこそこな頻度でモロバレルハイドロポンプで倒す試合が発生しました。
メガネニョロトノは小回りが利かず扱いが非常に難しいですが、
強い時にはとことん強いのが使っていて楽しいので良いですね。

・まとめ

今回はあまりトリプルでの使用事例を聞かないポケモンの開拓として
霊獣ボルトロスの構築を考えるところから始めましたが、
霊獣ボルトロス及びメガラグラージの強さが体験でき、
実際の戦績としても文句なしの結果を出せて満足できたので
自分なりの研究成果として書き残しておくことにしました。
もしこの記事が他の誰かの考察の役に立てば幸いです。

ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

この記事5524文字らしいですね。
このブログの記事の中ではかなり長い部類な気がします。