・やりたかったこと
背水の陣を無限に使いたい。
・着想
背水の陣は、タイレーツの専用技です。
この技は全能力が1段階ずつ上がる代わりに逃げられない状態を自身に付与する上、
一度しか使えない(交代すれば再度使えるようになる)という技になります。
効果の割には少々デメリットが目立ってしまう技と言えるでしょう。
もしこの技を複数回使えるなら、そこまでこのデメリットは気にならないのではないでしょうか?
私はそう考えました。
この技の仕様として、自身にこの技の効果で「逃げられない状態」を付与した場合、
交代するまで使用できなくなるというのが正確は言い方と言えるでしょう。
この技の使用前に逃げられない状態を既に持っていた場合、
この技による効果での「逃げられない状態」の付与は発生しません。
その為連続して背水の陣を展開できます。背水の陣を何度でも展開できるというのも妙ですが。
今回はこの仕様を利用して、何度も背水の陣を展開しましょう。
・個体紹介
オーロンゲ
持ち物:ロゼルの実
性格:意地っ張り
特性:悪戯心
種族値:95-120-65-95-75-60(合計510)
努力値:HP164 攻撃252 防御20 特防20 素早52
ステータス:191-189↑-88-x↓-98-87
技構成:じゃれつく/土下座突き/電磁波/守る
比較的普通のアタッカー。
他のポケモンが動きやすいように電磁波で素早さを奪ったり、
一致技2種で殴ったりするのが主な役目です。
環境にいるオーロンゲは補助で使われることも多いように感じますが、
オーロンゲ自体は攻撃的なステータスを持っているため、
アタッカーとしての素質を試したかった、というのも採用理由となります。
ジュラルドン
持ち物:メタルコート
性格:臆病
特性:筋金入り
種族値:70-95-115-120-50-85(合計535)
努力値:防御4 特攻252 素早252
ステータス:145-x↓-136-172-70-150↑
技構成:徹底抗戦/流星群/ラスターカノン/10万ボルト
ガラルで登場したポケモンとしてはやや珍しい気がする、
専用技を持たないポケモンの1体です。
徹底抗戦などの高火力な鋼技の存在をチラつかせる事により、
相手のフェアリータイプの選出を抑制することが主な目的です。
タイレーツ
持ち物:オボンの実
性格:陽気
特性:負けん気
種族値:65-100-100-70-60-75(合計470)
努力値:HP212 攻撃20 防御12 特防12 素早252
ステータス:167-123-122-x↓-82-139↑
技構成:瓦割り/アイアンヘッド/岩雪崩/背水の陣
今回の主役。背水の陣を連射することを目指します。
本来背水の陣は1回しか使えませんが、
黒い眼差しなどによって「逃げられない状態」を先に付与しておけば、
逃げられない状態が解除されるまで何回でも使えます。
これを利用して、とにかく能力を上げたタイレーツを作るのが今回の目的です。
3回くらい使えればとても強いタイレーツになれるでしょう。
ヨノワール
持ち物:メンタルハーブ
性格:穏やか
特性:プレッシャー(お見通しでも可)
種族値:45-100-135-65-135-45(合計525)
努力値:HP244 防御12 特防252
ステータス:151-x↓-157-85-205↑-65
技構成:シャドーボール/サイドチェンジ/鬼火/黒い眼差し
サイドチェンジと黒い眼差しで
少しでも多く背水の陣を起動できるようにするためのサポート要員です。
黒い眼差しはダイウォールを貫通するため、相手のダイマックスを足止めする目的でも使えます。
全く同じ効果の通せん坊はダイウォールで弾かれるため、注意しましょう。
持ち物:ウイの実
性格:穏やか
特性:影踏み
種族値:190-33-58-33-58-33(合計405)
努力値:HP172 防御84 特防252
ステータス:287-x↓-89-x-121↑-53
技構成:ミラーコート/カウンター/アンコール/道連れ
起点作成要員。とにかく相手を殴る手段に乏しいので出番を作らずに済むようにしましょう。
今回の構築における主役はタイレーツです。
タイレーツで全員薙ぎ倒して、ソーナンスの出番を作らないで済むようにしましょう。
本当に打点がないポケモンである以上、何も出来ませんからね。
一応ダイマックスすればダイサイコとダイナックルは使えなくはないですが。
持ち物:こだわりハチマキ
性格:勇敢
特性:鉄のトゲ
種族値:74-94-131-54-116-20(合計489)
努力値:HP252 攻撃252 特防4
ステータス:181-160↑-151-x-137-22↓
技構成:パワーウィップ/ジャイロボール/ボディプレス/はたき落とす
備考:素早さ個体値0
対トリックルーム能力の高さと対フェアリーに関しては無類の強さを持つポケモンです。
マジカルフレイムが配られた以上、今まで程フェアリー相手の戦闘は安定しませんが、
適当にジャイロボールするだけで相手をなぎ倒せる強さは健在です。
今回はタイレーツを主役にするため、フェアリーの選出を抑制するための、
言わば選出誘導枠としての採用です。
・基本的な立ち回り
先発にソーナンスとヨノワール、控えをタイレーツとオーロンゲにします。
ジュラルドンとナットレイは選出誘導枠なので出さないようにします。
ヨノワールは味方に黒い眼差し、ソーナンスは即座にタイレーツに交代し、
タイレーツに逃げられない状態を付与します。
ここからサイドチェンジや鬼火を駆使して相手を翻弄しながら、
背水の陣を出来る限り積みましょう。
ヨノワールが倒れ次第オーロンゲを繰り出し、電磁波でサポートしたり、
2体掛かりで総攻撃を仕掛けることを目指します。
ソーナンスを繰り出さざるを得なくなってしまった場合は道連れやアンコールで頑張りましょう。
・使用感
根本的に背水の陣を複数回展開するには色々と必要な要素があります。
まず、タイレーツ自身の耐久。
背水の陣を展開するポケモン自体に耐久が必要なのは説明するまでもありませんね。
次に、足止め要員(逃げられない状態付与要員)の耐久。
ある程度の耐久がないと、逃げられない状態を保持することが出来ません。
要するにこの構築の問題点は、耐久という問題に収束します。
この問題が非常に大きく、何よりも前に一度タイレーツを交代から繰り出す点。
この時点で相応の耐久が要求されると言うことは言うまでもないでしょう。
次に足止め要員も出来る限り生き残らなくてはならない点。
これも全く軽視出来ない問題点と言えます。
何故ならば足止め要員が生き残らなくては、背水の陣は再展開が出来ない。
背水の陣を再展開できなければ、この構築は勝ち筋を失います。
この構築の基本選出においての勝ちパターンは、
複数回背水の陣を起動したタイレーツによる制圧に全て託しています。
それ以外の勝ち方を放棄している、とすら言えるでしょう。
端的に言えば、この勝ちパターンを満たせるだけの耐久が、
この構築にはいなかったということになります。
ヨノワールは再生回復手段を持たない上、
弱点であるゴーストタイプの技や悪タイプの技は何処からでも飛んできます。
タイレーツはHPに努力値を振っていますが、気休めにしかなっていません。
構築全体に無理が多すぎたと言えますね。
・まとめ
ゲームにおいて仕様というものは、そもそも普通に遊んでいるとこうなる、
というルールだと言ってもいいでしょう。
それを超えるというのは、無理矢理ルールの壁を越えようとする行為でしょう。
この場ではそれを悪だとは言いませんし、それを良しとも言いません。
ただ、大抵の場合においてルールを無理矢理超えるということは、
何かしらのデメリットが存在します。
時間がかかる、手間がかかる、出来ることに制限がある。
大雑把に分類すれば上記のどれかに該当するのではないでしょうか?
ここではそれらを全てコスト、と表現することにします。
大抵の場合、壁を超えるならコストが必要です。
それを理解した上で壁を超えるのは、
コストに見合った効果がある、もしくはそう期待できるからなのではないでしょうか。
今回の場合は、それに見合う効果はなかった。
そういう事になります。
コストに見合う効果があるのかどうか。
構築を考える上で、大事にしたい考え方ですね。
私には一切存在しない考え方ですが。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。