破片影

ポケモントリプル勢の端くれによる不定期更新なブログです。

【ポケモンORASトリプル】太鼓暗示による先制技という戦術

・前置き

初めての方ははじめまして。そうでない方はお久しぶりです。
3DSのインターネット通信は2023/4/9 8:59に終了します。
それに合わせて色々と論文じみた内容として自分の研究成果を投稿している方も数多く見られます。

私はこれと言って極めた物は特にないのですが、
恐らく自分以外にトリプルフリー環境で使っていた人が非常に少ないと思われる戦術である「太鼓暗示」に関して、自分なりの見識をトリプルバトルでの研究成果として投稿しようと思います。
今回の考察に関してはORASレート シーズン17(所謂過去作なしフラットルール)を基準としております。

太鼓暗示は?その使い方は?どこが強いの?調べてみました!

・そもそも太鼓暗示とは?

この記事での太鼓暗示とは、腹太鼓による能力上昇を自己暗示でコピーする戦術と定義します。
自己暗示を使う戦術自体は色々あると思いますが、
その中でも腹太鼓と組み合わせた戦術に限った話をしていこうと考えています。

性質上、自己暗示を使う構築の中でも独特の考察を要求される構築です。
他の構築に流用しにくい考察であることはご留意ください。

・結論

私としては以下の構築がひとつの結論形だと考えています。
あくまでレートルール想定(=過去作限定個体なし)なので、
過去作限定個体を使用できるルールであれば改善の余地は大いにあります。
メタグロスの枠に関してはまだ色々と考察の余地があるとは思いますが、
少なくともこの形でそれなりの結果は出せているので現状での結論はこれとしています。
素敵だ……

luzilla.hatenadiary.jp

・腹太鼓の優位性

まずそもそも腹太鼓という技の性質から考える必要があります。
攻撃力を高めて相手を撃破するという意味では怒りの壺や正義の心と違い戦術です。
ではこれらと何が違うのか?
色々な考え方がありますが、その1つはそれを行使できるポケモンです。
いくらキャタピーを考察したとしても、それはコイキングの考察には流用できません。
コイキングを使うためにはコイキングのための考察が必要です。人には人の乳酸菌。

それ以外の要素として、攻撃力を強化するための必要な要素も大きく異なります。
怒りの壺は技を急所に被弾すること、
正義の心は悪タイプの技を受けること、
腹太鼓は自分の最大HPの50%の体力を消費することが発動条件です。

正義の心や怒りの壺は基本的に味方からのサポートが必要不可欠です。
味方の補助がなければ発動することすらままなりません。
自立という言葉とは縁がなさそうな戦術であると言えます。
一方、腹太鼓はアタッカー自身が体力を削ることで発動できるので、
まるで気分は追い詰められると真価を発揮するスーパーヒーローです。
非常に素敵性能が高いですね。

本当に素敵性能は高いです。
体力を半分削って攻撃力強化。素晴らしいですね。
耐久が半分になって、対戦で戦っていけるんですか?
本当にそこまでする必要があるんですか?
正義の心や怒りの壺構築は、基本的に体力を半分も削る必要はありません。
そもそも攻撃力を強化したいポケモンの行動を消費せず発動できます。
自分の行動権利を放棄してまで、攻撃力を上げる必要はありますか?

このあまりにも大きすぎるデメリットを考慮すると、
怒りの壺や正義の心にはないメリットを探す必要があります。

怒りの壺であればワルビアルバクーダ
正義の心であればテラキオンが基本形となるでしょう。
単純に強すぎるポケモンたちが出てきましたね。
逆に腹太鼓を使う事が視野に入るポケモンは案外多く、
カビゴンペロリームマリルリ辺りが候補になります。
ペロリームは未来では腹太鼓を奪われ、採用理由が失われたポケモンとして非常に有名ですね。
過去作個体・配信個体を使うことも考慮するならマッスグマも候補になるでしょう。
これ以外のポケモンは明確な採用理由が産まれにくいので、今は度外視します。

カビゴンを使う場合は純粋なトリックルーム軸でしょう。
素早さ30という非常に優秀な遅さから、受けきれない火力の恩返しで殴れます。
範囲技として地震、最終手段として自爆があるのも優秀ですね。
ペロリームを使う場面は少ないですが、軽業型の運用が予想されます。
太鼓オボン軽業発動から、高い素早さでドレインパンチで戦っていけますね。
マリルリを使うならば、同時遺伝が不可能だった組み合わせの太鼓アクジェでしょう。
相手を先制で仕留められれば、耐久が半減しても関係ありません。

この中でも今回はマリルリは特に優秀であると思われます。
トリックルームで戦うなら壺バクーダでもいいでしょう。
ペロリームをわざわざ使う理由はありません。
マッスグマを使えれば理想ですが、入手難易度が高すぎます。
今からポケモンボックスを買って、あの厳選をするんですか?
そもそも攻撃力4倍なんて素敵性能が高すぎます。
知ってますか?攻撃力2倍でも相手を倒していくには充分なんですよ。
疑うならグロパンメガガルーラを試してみてください。

先制技で相手を仕留めていく戦術はマリルリならではです。
悪いな 私を捕まえられる人間はひとりしか知らない
今回はこのマリルリを起点に、太鼓暗示という戦術を書き連ねていきます。

・自己暗示の必要性

腹太鼓により引き上げた攻撃力を使っても、1ターンに倒せるのは1体です。
トリプルバトルにおいて相手は3体。
1体倒せても、残り2体の攻撃を掻い潜らないと次のターンまで生き残れません。
そんなんじゃこの先生きのこれません。
ではどうするのか?
マリルリをどうにかして守る手段が必要です。

マリルリを守る手段は大きく分けて2つ。
指やワイガで保護する防御的な考え方。
残り2体で相手の倒れてないポケモンを仕留める攻撃的な考え方。

太鼓暗示という戦術の都合上、今回は攻撃的な考え方を前提とします。
防御的な考え方をしたいのなら今回は縁がなかったということで
さっさとこのページを閉じてください。

攻撃力を高めて先制で相手を仕留めきる攻撃で殴る。
これをターン中に3回やれば相手がいなくなります。
足掻くな。運命を受け容れろ。

問題はそんな都合のいいポケモンはそう簡単にいないという話です。
話が…違うっすよ…

ではどうするのか?
ここで必要になってくるのが自己暗示という技です。

攻撃力を高めるためには外部からの補助では限界があります。
上述の腹太鼓、正義の心、怒りの壺を除くと
威張る(+神秘の守り)、手助け、天候補正、弱点保険などがメインの火力補給手段です。
これらで1行動で強化できる補正としては基本的に2倍。
これよりも大きな補正を得る手段はないと言っても過言ではありません。
この例外の1つが自己暗示です。
たとえそれが非常に扱いにくかったとしても。

・自己暗示という技

そもそも自己暗示という技をしっかり考えた方も多くはないのでしょうか。
この技は指定した対象の能力ランクをコピーし、自分にも適用する技です。
性質上相手に使っても安定しないので、味方に使うのが基本でしょう。

例えば、影分身や瞑想を詰みまくったクレセリア
例えば、小さくなるやツボを付くを使いまくったピッピ。
例えば、ジオコントロールで強化したゼルネアスやドーブル
これらに対して自己暗示を使い、強力なアシストパワーを使うラティアスは皆様も見たことがあります。
あのラティアスのような使い方が基本だといえばあなたにもイメージできました。

このように自分の行動を1つ使う代わりに、
超強化した味方の能力ランクをコピーするのが基本です。
たまに暗示パミラーなんかだと相手の能力ランクを奪うときもありますが。

最大の欠点はアタッカー自身の行動を1つ消費し、
味方への自己暗示を行う必要がある事実です。
暗示パならではの悩みもここに関わってきます。
全く同じ理由で、自己暗示を覚えさせていることも条件になります。
バトンタッチは知りません。
ただ暗示バトン要員に強いポケモンが果たしてどれだけいるでしょうか?

その能力上昇、本当に行動1回分に釣り合いますか?
メガネニンフィアで殴るよりも強いですか?

それでも本当に自己暗示が必要になる場面は、ある程度存在しています。
これだから面白いんだ、人間って奴は

・太鼓暗示であるということ

ここまで読んだ聡明なみなさんなら実際お気づきです。
太鼓暗示なんて、所詮はロマンです。素敵性能が高いだけです。
MTと大差ねぇ 時代遅れのゴミだ
破綻した設計の 妥当な末路だ
身の程を弁えない駄犬には 教育が必要です

あ、そうなんだ。で?それがなにか問題?
今回の太鼓暗示に関しては、間違いなくメガネニンフィアで殴るより強いです。
ニンフィアは敵を倒せないこともありますが、
太鼓暗示したメガクチートが相手を生かせる場面はそう多くありません。
潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す
これはクチートの攻撃技枠を1つ失ってでも採用する価値はあります。
また、クチートの苦手な炎・地面はマリルリアクアジェットを叩き込めます。
クチート自身も超火力の先制技の使い手で、名誉悪タイプと呼べる火力の不意打ち使いです。
その火力たるや持ち物込でも珠キザンの不意打ちより気持ち低い程度。
持ち物がなければ悪タイプより強い不意打ち使いとすら言えます。
理由なき強さほど 危ういものはないぞ…!

腹太鼓を自己暗示する。
これは攻撃力を6段階上昇させる、というのが平時の効果です。
ですがそこまでうまく話は進みません。
相手もランドロスカポエラーをブンブン回し、全力で攻撃力を下げてきます。
実効値は4段階上昇くらいになると考えておきましょう。
それでも簡単には得られない能力の上昇度合いです。
見せてもらいましょう 借り物の翼で どこまで飛べるか

クチートほどの火力ではありませんが、
メタグロスも自己暗示+先制技という組み合わせの持ち主としては最強クラスです。
もしメタグロスマリルリクチートが全員攻撃力を高めたなら。
そこから降り注ぐ先制技の雨。
これを実現させることに憧れを持たずにいられるでしょうか?

火を点けろ、燃え残った全てに。

実際にここまで全てが成立するのであれば、
ただ適当に先制技を撃ち続けるだけでも相手は溶けていきます。

半分ロマン戦法の領域ですが、
成功すれば相手からの攻撃を許さず全てを破壊できます。
現実的に成立させられるロマンギミックとでも言えばいいでしょうか。

これは太鼓暗示ならではの魅力であり、
太鼓暗示という構築はかなり自由枠が多いです。
非常に有名なホロウビアルなんかは事実上の自由枠なし。
叩き軸として有名なエルテラドーも自由枠がそう多くはありません。
バクーダは自由枠こそ存在すれど、味方に巻き込まれない事が重要です。
本当に暗示カモネギを強いと思って使ってるんですか?

素早さ操作を完全に捨て去り、先制技で仕留める。
これだけに全てを振り切ったからこそ組める構築が太鼓暗示だと考えています。

現実的なギミック構築。
それが太鼓暗示と先制技による制圧だと考えています。

これ以外の太鼓暗示も色々あると思いますし、自己暗示にも様々な使い方があります。
特にアシストパワー系の構築も非常に強いので、一度試す価値はあると思います。
基本的には肉を切らせて骨を断つ戦術であると考えるといいでしょう。
本当に守るべきものを明確にして、それを守るためにリソースを惜しみなく注ぐ。
ガルーラスタン筆頭にスタン系構築とは全く違う考え方になりますが、
少しでも興味を持って頂ければ幸いです。

少なくとも、火力を上げて先制技で全て薙ぎ払えば勝てる。
この結論に至った人がいて、こういう考察の過程があった。
それを知って頂けたなら…素敵だ…

トリプルバトルがオンラインで遊べるのも、もう100時間を切りました。
最後の瞬間は、どうか笑顔で迎えましょう。

この世界で遊べたことを。
誇ってくれ、それが手向けだ…

そしてこれからも、オフラインの世界で戦いましょう。
戦い続ける歓びを!

・長い記事を読みたくない人向けの要約

余談が多すぎて、結論だけ知りたいという方向けです。

腹太鼓は使用者の耐久を半減させる技。
攻撃を高めるにもエルテラで良くね?の壁を超える必要があり、
異常な殲滅力のホロウビアルとも違う強さを保つ必要があります。
今回はここから、先制技で仕留めるというコンセプトを考えました。
高火力の先制技で仕留める戦術は怒りの壺や正義の心にはない戦い方であり、
マリルリで腹を叩く事に理由を見出だせる手段の1つです。

ですがマリルリの火力が高いだけで、耐久は低いです。
これを補うために味方で守るか、味方も相手を仕留めるかの2択となります。
今回は味方も相手を仕留める方針を考えました。

能力の上昇を活かし切る手段としては自己暗示が有名です。
ですがこれは味方の行動を1消費する上、技スペースも圧迫します。
味方からの補助で攻撃力を上げるべきではありますが、
先制技という低い火力でも倒せるような補正を得るには自己暗示が最善であり、
味方の手助けや威張るなどでは間に合わないでしょう。
味方の技も行動も消費してでも、それに見合う価値があると結論付けました。

この能力強化手段を使って先制技を使えば、
相手の行動前に全ての相手を倒せます。
それが本当に実現するなら負けることはありません。
これを実現させるための戦術として、これを考えた人が過去にいました。
それを知って頂けたなら非常に嬉しく思います。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。